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第32期竜王戦 4組ランキング戦 藤井七段vs村田六段

藤井七段の3期連続昇級をかけた竜王戦がスタート.

藤井七段の後手番で,戦形は相掛かり出だしの先手が捻り飛車へ.

▲2六飛と浮き飛車に構えてから,▲3六飛と,△3四歩を狙いに.古い将棋らしく,最新の前例が21年前らしい.

前例は,△3三金らしいが,藤井七段は△8四飛と飛車で守った.

 先手は,▲7六歩~▲7七桂~▲5六飛と桂馬を活用する手を指した.後手は,△2二銀~△2三銀と銀冠を目指す手もあったが,△2二銀に,△4四角!これは,▲6五桂,△同歩,▲7五角という筋を受けた形になる.そこから▲8六飛△8三歩打とゆっくりとした展開に.

後手は,銀冠に囲い,先手は7-8筋に攻め形を作る.暫く難解な中盤が続く.

先手は▲6六飛~▲6五桂から飛車をいじめつつ,飛車成りを目指してゆくが,後手も△9八角打からの馬作りなど先手の攻めが切れた瞬間の反撃の形を作ってゆく.

しかし,先手から,▲7三桂成△同桂▲7一角打と激しい局面に.

この手に対し,△6五銀が強い手.▲8二角成~▲7三馬が銀取りにあたらず,飛車を取り合うことができ,かつ,6八の金に狙いをつけることができる.

先手も仕方なく,お互いに飛車を取り合って,▲8四馬△6八歩成▲6四馬(銀取り)△7八と(金取り)で責め合いになる.

しかし,後手陣には全く手がついておらず,先手の守りが△5八と▲同銀△4六桂打と徐々に削られていき,▲6七銀打△7九飛成と後手の攻めが手厚く,後手優勢になってゆく.

先手は受けの手が無いと見て,▲2五歩打と攻め合いに出る.そこで,藤井七段らしく,攻めの拠点を作って一転,△3八桂成▲同玉△5四角成と受けに回る.

先手も何とかアヤをつけようとするが,後手の正確な差し回しで,先手の攻めをつぶしつつ,着実に追い詰める.おそらく,残り時間をかんがみて,局面をわかりやすくしたのであろう.

先手は顔面受けのような形になったが,△7七龍が実は良い手.一見なんでもない手であるが,香車を狙いつつ,玉が左に逃げ出せない形になる.

先手は▲2七桂打と仕方なく受けたが,これがおそらく敗着.△6七龍と切ってから△3六桂が決め手.先手も必死に▲5八金と粘りを見せるが,馬を抜かれてはっきりと負けの局面に.後手玉には詰みがなく,先手玉は粘りが利かない.△4六馬にて,先手投了.

 

朝日杯の将棋もだが,中盤の安定度が桁違いに良くなっている.

本期も挑決トーナメントにいける可能性が大きい.今後の活躍が非常に楽しみである.