第69期 王将戦 二次予選 藤井七段vs佐藤康光九段
リーグ入りを賭けた過酷な２次予選が始まった．
藤井七段の先手番で，☗2六歩☖8四歩☗2五歩☖8五歩☗7六歩☖3二金☗7七角☖3四歩☗6八銀☖5二金☗3八銀☖4四歩で後手が角換わり拒否を示す．
☗2四歩☖同歩☗同飛☖4二銀☗3四飛☖3三銀☗3六飛で相掛かりの出だしから横歩取りへ．
☖2八歩打☗2六飛☖2九歩成☗同飛で先手の歩得と後手の桂得となる．
☖8四飛☗3六歩☖7四飛☗2四歩打☖3一桂打と早くも中盤戦に突入する．ここで昼食休憩となった．
休憩明けは☗7八金☖4五歩☗6九玉☖8二銀☗2五飛☖2四銀☗4五飛と先手が後手の歩を次々と掠め取る．
☖7七角成☗同桂☖3三桂と後手から角交換をする．
☗8五飛☖8四歩打☗5五飛☖4三桂☗5六飛☖6二玉と後手が先手の飛車を追いつつ右玉に構える．
☗6五桂☖4二金左☗2三歩打☖6四歩☗2二歩成☖6五歩と先手は桂2枚損ながらと金を作って攻め込む，非常にリスクの高い攻め．
☗7五歩☖4四飛☗2三と☖1四角打☗2四とで先手が銀を取って駒損を回復．
☖同飛☗4六角打☖4四飛☗7六飛☖4五桂☗4八金☖6三金☗8六飛☖5二金☗1六歩☖6六歩と後手からの反撃が始まる．
☗同歩☖5四桂打☗2八角☖2四飛☗2七歩打☖3七歩打☗8四飛☖5七桂不成と後手が踏みこむ．
☗同銀☖8三歩打☗8六飛☖3八歩成☗同金☖3六角☗5五桂打で先手が苦しいながら反撃の手を繰り出す．
☖4六歩打と攻め合いになり，☗6三桂成☖同金☗6五歩☖5五桂☗4六角☖同桂☗同飛☖4五銀打☗3六飛☖同銀☗5一銀打☖同玉と先手の反撃が決まったか．
☗3三角打の王手飛車に☖4二角打☗2四角成☖同角☗2一飛打☖4一銀打☗2四飛成☖4七銀成☗5二歩打☖6一玉☗5一歩成☖同玉と最終盤になり先手が玉を寄せきれるかという局面になる．
☗4二歩打☖4九飛打☗5九歩打☖7七桂打☗同金☖5七成銀☗4一歩成☖同龍☗3三角打☖6二玉☗5五角成☖6七歩打で後手も最後の反撃を試みる．
☗7八玉☖6八歩成☗8八玉☖7九角打☗9八玉☖8八銀打☗8六銀打☖7七銀不成☗同銀☖7八とで先手に手番が渡る．後手玉に詰みがあるか．
☗6四桂打☖7一銀☗5二銀打☖同龍で寄せ切ったか．
☗同桂成☖7二玉☗6四桂打☖8二玉☗7二飛打☖同銀☗同桂成☖同玉☗6四桂打にて後手投了．
141手まで先手の勝ちとなった．
以下は手数は長いが，☖同金☗6二成桂☖同玉☗6四龍☖6三銀打☗6一金打☖5二玉☗5一金打☖4二玉☗3三銀打☖3一玉☗3二歩打☖2一玉☗2二銀成まで．
中盤の形勢が入れ替わる展開は非常に面白く，両者力を出し切ったのではないか．
藤井七段はトップ棋士を倒しての勝ちでありリーグ入りに大きく前進した．
2019 大相撲 名古屋場所 12日目
優勝候補が絞られてきた終盤戦．平幕の2敗勢が星を維持できるか．
阿炎は遠藤戦．いつもの通り阿炎が突いて引いての応酬だが，遠藤がしっかりと残っており，最後は阿炎の足が流れてしまった．決まりてはつき膝となった．
竜電は碧山との取り組み．碧山の巨体を生かした激しい突き押しに竜電は一方的に押され続け，最後は突き出しで碧山の勝ち．碧山は星を五分に戻して，勝ち越せば返三役も見えてくるか．
絶不調玉鷲は同じく不調の明生戦．立合いから玉鷲らしい激しい突き押しで明生を一気に突き出しで2勝目を挙げた．玉鷲は残りを良い相撲内容で終えたい所．
鶴竜は千代大龍との一番．立合い圧力のない千代大龍に対し，鶴竜が右前みつをしっかりと取って，裾払いできっちりと勝つ．自身初の12連勝で優勝待ったなしか．
結びは白鵬と御嶽海．立合い一度まったがかかり，白鵬としては水を差された形．二度目では御嶽海のもろ差しと白鵬の外四つで長い相撲になる．お互いなかなか攻められずにいたが，最後は強い引き付けで白鵬が寄り切った．
2019 大相撲 名古屋場所 11日目
高安と魁聖が休場．魁聖は十両陥落が確定となってしまった．終盤戦でついに大関不在の異例の場所となってしまった．白鵬は不戦勝で10勝目を手に入れた．
新三役で負け超しに後がない竜電は遠藤との一番．左の差手争いになりやや長い相撲になると思われたが，遠藤が競り勝ち最後は寄り切り．竜電は悔しい負け越しとなってしまった．
阿炎は碧山戦．碧山に苦戦する阿炎だが今回はどうか．阿炎が攻めたものの，碧山を押し切れず，碧山の叩きに２回は耐えたものの最後は流れて土俵を割ってしまった．阿炎は負け星が再び先行．
玉鷲は好調の逸ノ城との取り組み．玉鷲が激しく当たって距離を取る．逸ノ城は組み止められないが，最後は玉鷲の頭が下がったところを叩き込み．逸ノ城は勝ち越し王手となった．
御嶽海は明生との対戦．頭から当たって左四つになり，明生の形に．明生が攻めるが御嶽海の粘り腰が強く明生が決めきれない．最後は御嶽海が引き付けて体を入れ替え寄り切り．御嶽海は長い勝負を制して勝ち越し王手．
結びは鶴竜と琴奨菊．立合いで左四つになった琴奨菊が一気にがぶり寄ったが土俵際で鶴竜が辛くも耐え，鶴竜が押し返す．肩ごしの上手を鶴竜が切られたが，かまわずのど輪で押し最後は突き倒し．今場所の鶴竜は非常に強い．
鶴竜は全勝キープで優勝に大きく近づいている．終盤での勢いの落ちもなく非常に良い．
2019 大相撲 名古屋場所 10日目
安美錦の引退が決まった．魁皇と並ぶ歴代最多の関取在位だった．
阿炎は先場所優勝の朝乃山戦．阿炎お得意のもろ手突きからの引き落としで朝乃山が手をついてしまった．阿炎はここへきて星を五分に戻してきた．
負け星先行の竜電は北勝富士との取り組み．北勝富士が右からしぼりとおっつけで竜電に左を差させずしっかり下から押し上げて最後は押し出し．次勝てば，三役返り咲き濃厚か．
御嶽海は大栄翔との一番．押して引いてを繰り返す御嶽海に対し，ひたすら残って前に出続ける大栄翔が最後は突き出しで下す．大栄翔は幕内上位で星を五分に戻した．
左ひじが良くない高安は不調の明生との取り組み．立合い変化気味に動いた高安が左を上手く使いながら明生に組ませず，何とか寄り切った．高安は先ずは勝ち越して安心というところか．
全勝鶴竜は昨日金星を挙げた逸ノ城との一番．先日の良い調子が続く逸ノ城相手に苦戦する鶴竜だが，長い相撲を制し，出し投げで逸ノ城を崩してから最後は寄り切り．鶴竜は盤石の相撲で10連勝．
昨日不覚の負けを喫した白鵬は絶不調の玉鷲戦．立合い張り差しからのいなしであっけなく土俵を割った玉鷲．白鵬は連敗はせずきっちり勝って結びを締めた．
中盤戦が終わり，明日から上位同士の取り組みが始まる．今場所の賜杯を抱くのはだれか．
2019 大相撲 名古屋場所 9日目
高安は出場するようだが、怪我の具合はどうだろうか。
竜電は先場所優勝の朝乃山戦。先場所こそ勢いに飲まれたが、合口は竜電が良い。今回は右四つになり、終始攻めた朝乃山の寄り切り。上位戦を終えた者通し、これからの挽回が重要だ。
勝ち星が一つしかない玉鷲は得意の北勝富士との取り組み。立合い当たってすぐに体を開いた北勝富士が送り出して勝ち。玉鷲は無念の負け越しとなった。
御嶽海は新小結の阿炎との一番。いつも通りの諸手で立った阿炎だが、御嶽海の圧力が強いことを見越したのか上手をとりつつ引いて最後は上手投げ。阿炎は御嶽海からの初勝利となった。
左肘にサポーターを巻いた高安は上位復帰の正代戦。かちあげの立合いはいつもの高安だが、左の攻めが弱く決め切れず、最後は突き落としをくってしまう。後一つで勝ち越し、優勝も圏内なだけにどこまで強硬するか、不安ではある。
白鵬は逸ノ城との一番。両者かちあげ気味の立合いだが、逸ノ城が脇を締めた外四つで寄り、白鵬にまわしを与えない。最後は右四つになるもそのまま圧力で逸ノ城の寄り切り。今場所大金星を上げた。
結びは鶴竜と明生。右前みつの早い鶴竜が攻め、左四つの形になるも攻めを全て封殺された明生はなすすべなく寄り切りで敗れる。鶴竜は勝って結びを締めた。
全勝が鶴竜のみとなり、優勝争いを一歩リードした。白鵬は優勝のためにはこれ以上負けられなくなってしまった。高安も怪我が不安な中、関脇以下の力士がどこまで勝ち上がってくるか。楽しみな後半戦に突入した。
2019 大相撲 名古屋場所 中日
両横綱は勝ち越しを決めるか。
新小結対決の阿炎vs竜電は引き落としで阿炎の勝ち。終始攻めていただけに引きに落ちてしまったのは悔しい竜電。三役の座を守るには後5勝が必要となる。
御嶽海は好調逸ノ城との取り組み。立合い不成立が2度あって、3度目で成立。逸ノ城の張り差しにも動じずに潜って押し出した御嶽海。2敗を守り、優勝圏内をキープした。
唯一の大関高安は玉鷲との取り組み。押し出しで玉鷲を下すも、左肘を痛めた模様。一敗で横綱に続くだけに休場は辛いだろう。
鶴竜は大栄翔との一番。大栄翔の攻めを冷静に対処して、いなしで下す。今場所の鶴竜は白鵬よりも調子が良く見える。
白鵬は正代との結びの一番。初めは正代を攻めたが土俵際で掬い投げをくらう。しかし流石の対応力で体を残し、攻めてきた正代を引き落としで下す。一瞬ひやっとしたが、終わってみれば流石といえる。
横綱は勝ちっ放しで中日勝ち越しを決めた。優勝候補筆頭の両者だけに千秋楽までは確実に負けられない。
2019 大相撲 名古屋場所 7日目
全勝の横綱を追う一敗の力士達は踏ん張れるか。
新小結の阿炎は上位戦を終えて北勝富士との一番。立合い低い北勝富士の攻めに一方的に下がらされたり阿炎はそのまま土俵を割ってしまった。中々勝ち星の上がらない阿炎は勝ち越しが危うくなってきた。
昨日初日が出た玉鷲は、大関撃破の竜電との取り組み。玉鷲が上手く組ませなかったものの、冷静な竜電が土俵際でいなして玉鷲を送り出し。ここから巻き返せるか。
思ったよりも星の上がらない御嶽海は先場所圧倒した朝乃山戦。ふわっと立った御嶽海が一歩も下がらず下から押し上げて朝乃山を押し出した。朝乃山は上位の壁に阻まれている。
高安は碧山との対戦。突き放せない碧山が高安に組み止められ、引いてしまったところを高安に押し出されてしまう。高安は前評判とは異なり勝ち星を重ねる。
前半で負けを重ねてしまった豪栄道は遠藤戦。張り差しを選択した豪栄道だが、遠藤の踏み込みになすすべ無く寄り切られた。負け星が先行してしまった豪栄道。
白鵬は大栄翔との一番。大栄翔の突き押しを食わないように距離を取りながら何度も引いて最後は引き落としで白鵬の勝ち。安定した内容が続く。
鶴竜は正代戦。右上手の早い鶴竜は引きつけて一気の寄り。盤石の相撲で全勝キープ。
両横綱と高安は危なげなく勝ちを重ねる。明日中日でどの様な成績になるか。
