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第32期 竜王戦1組 ランキング戦 羽生九段vs屋敷九段

羽生九段の今年度最終対局は白星で飾れるか.

羽生九段は後手番で,▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7六歩△3二金▲7七角△3四歩▲6八銀△7七角成▲同銀△2二銀▲4八銀△6二銀▲7八金△3三銀▲4六歩△4二玉▲4七銀△7四歩▲3六歩△7三桂▲6八玉△6四歩▲3七桂△6三銀▲4八金△8一飛▲2九飛で角換わり腰掛銀の出だし.

△7二金と手待ちの構想である後手に対し,▲9六歩△1四歩▲1六歩△9四歩▲6六歩△6二金▲5六銀△5四銀▲7九玉△5二玉▲8八玉△4二玉で後手は手待ちをする

▲4五桂から先手が攻めだし,△4四銀▲7九玉で昼食休憩.

休憩開けは△5二玉とやはり手待ち.▲2四歩△同歩▲同飛△1三角打▲2七飛△4六角▲2三角打△3一金で2筋を受ける.

▲3四角成△3三歩打▲2三馬△1九角成までは前例の進行通り.

▲7五歩△同歩で前例を離れる.

▲2二馬△2五歩打▲同飛△1三桂▲2三飛成△2一香打と準田楽刺しの手筋.

先手も▲3一馬△2三香▲3二馬と龍を見捨てて,金を取る.

△5九飛打▲6九金打△3九飛成▲4九歩打で金底の歩.先手は徹底的に受ける方針.

△2七香成▲3三桂成△同銀▲同馬△3八成香▲5八金寄に△7四桂打が攻防手で非常に強い一手.まさに,「敵の打ちたい所に打て」である.

▲7六歩打△3二歩打▲同馬△7六歩▲同銀△6六桂▲7四歩打とお互いに時間を使わずに進む.ここで夕食休憩.

休憩開けは△6五桂▲6三歩打で後手が長考する.

△同玉と取って,▲6七金右△7八桂成▲同金△4九龍▲6九歩打△4六馬▲4七歩打と馬取りに歩を打つ.

△3七馬▲7五桂打△同玉▲8三銀打△8四玉▲6五銀△同歩▲7七桂△8三飛▲同桂成△同玉▲4一馬と進む.後手玉は薄いが,先手から迫る手段が少なく,後手の駒得も大きい.

△5九馬▲8八玉と玉の早逃げ.

△6九馬▲8五桂と跳ねたが,これで先手玉は詰み.先手が首を差し出した形になる.

△7八馬▲同玉△8六桂打にて先手投了.116手まで羽生九段の勝ちとなった.

投了図以下,▲7七玉△8六銀打▲8六玉△7五金打▲同銀△同銀▲同玉△8五銀打▲7六玉△7五金打▲7七玉△7九龍▲7八飛打△8八銀が一例.最後は何を間駒しても詰む.

 

今年度の対局を白星で終えた羽生九段.準決勝は永瀬七段が相手なので,是非リベンジを果たしてほしい.