第44期 棋王戦 第3局 渡辺棋王vs広瀬竜王

なんとか勝って，次に繋げたい広瀬竜王．意地を見せられるか．

広瀬竜王の先手番で，▲2六歩△8四歩▲7六歩△3二金▲7八金△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀△4四歩で後手からの角換わり拒否になる．

▲2五歩△3二金▲2四歩△同歩▲同飛で先手は飛車先の歩を交換する．

△4三金▲4八銀△2三歩打▲2八飛△6二銀▲4六歩△5四歩▲4七銀△5三銀で先手は攻め形を後手は駒組みを進める．

▲6九玉△4一玉▲5六銀△4二銀▲6六歩△7四歩▲6七銀上△9四歩▲9六歩でゆっくりとした進行となる．

△3一玉▲5八金△6四銀▲6五歩△5三銀引▲7九玉△7三桂で昼食休憩．

非常にゆっくりとした展開だが，攻めの形が築けている分，先手が指しやすいか．

▲7五歩△8四飛▲7六銀△6四歩で駒がぶつかり始めた．

▲7四歩△同飛▲7五歩打△8四飛▲6四歩△同銀▲6五歩打△5三銀引と左辺での戦いが起こる．

▲6七金と先手の駒が上部に盛り上がる．

△1四歩▲8八玉△3三角▲3六歩△2二玉で先手後手どちらも囲いに入城する．

▲3七桂△8六歩▲同歩△8五歩と後手から継ぎ歩攻めが行われる．

▲6六角と飛車に当てる．

しかし後手は構わず△8六歩と進める．

▲7四歩△同飛▲7五銀△同飛▲同角と飛車銀交換に進む．

そして△4五歩と王手．

先手は▲7七歩打と手堅く受ける．先手は駒得が大きく，一方後手は玉が非常に硬い．

△6六歩打に対して，▲6八金引が有望と見られていたが，強く▲同金とする．

渡辺棋王は長考し，△8七銀打▲同金△同歩成▲同玉△8六歩打と後手の攻めが厳しくなる．

▲7八玉△8五金と角取りに金を打つ．

この角は金のヒモが付いているので，▲4五桂と隙を逃さず反撃にでる．

△7五金▲3三桂成△同金寄▲7五金△6六角と後手の攻めが切れない．

▲6八金打と5七地点を受け，△7五角で金を取る．

▲7四飛打で角と桂馬の両どり．

両取り逃げるべからずの格言で、飛車成を防ぐ△7二飛打。

▲7五飛△8五金打▲7四飛△6二桂打で飛車が捕まる。

▲7三飛成△同歩▲2九飛△5五歩▲4七銀△7四桂で後手の攻めが調子よく続く。

先手も▲4一角打と急所への反撃。

△3一金▲5二角成△6六桂▲6七玉△7五金で後手も攻めつつあるが先手の馬が強い。

▲3五歩△3七飛打▲3四歩△4七飛成で攻め合いの終盤になる。

▲3三歩成△同銀▲2三飛成△同玉で先手は飛車を切って詰ましに行く。

▲3五桂△2四玉▲2五金打△1三玉▲1四金△同玉▲2五角打で王手龍。

後手玉にまだ詰みは無いが、次の▲4七角が詰めろ逃れの詰めろになってしまい、一手一手の寄りになってしまう。

ここで後手投了。121手まで先手の勝ち。

広瀬竜王が二冠に向けて、意地を見せた。

次は後手番であるが、是非勝って最終局まで縺れこんでほしい。