第4期 叡王戦 第三局 高見叡王vs永瀬七段

防衛の為にこれ以上の連敗は避けたい高見叡王は後手番での盛り返しが可能か．叡王戦は持ち時間が二局毎に変わり，今回と次局は3時間である．

▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀△6二歩☗2六歩☖4二銀☗2五歩☖3三銀☗4八銀☖3二金☗7八金☖5四歩☗5八金☖4一玉☗6九玉で合矢倉模様の将棋となる．

☖5二金☗5六歩☖7四歩☗3六歩☖8五歩☗7九角☖3一角☗6六歩☖4四歩で先後同型の駒組みが進む．

☗6七金☖4三金☗7八玉☖3二玉☗3七桂☖7三桂☗4六歩☖6四歩☗4七銀☖6三銀☗2九飛☖8一飛☗9六歩☖1四歩☗9五歩☖1五歩で同型駒組みが依然続き，玉側の端を突き越す．

☗4五歩で駒がぶつかり，☖同歩☗3五歩☖4四銀☗3四歩☖同金☗2四歩☖同歩☗2五歩打☖同歩☗3六銀と先手から仕掛けて後手の陣形を乱す．

☖3五歩打☗2五銀☖同金☗同桂☖2三銀打☗3三歩打☖同桂☗同桂成☖同玉で早くも後手陣がバラバラになりつつある．

☗1六歩☖4六桂打☗4七金☖3八桂成☗2七飛☖2六歩打☗同飛☖2五歩打☗同飛☖2四歩打☗2七飛で歩の連打で手番を握る．

☖6五歩☗4六歩打☖6六歩☗同金☖6五歩打☗6七金☖6四角☗4五歩☖同銀☗4六歩打☖3四銀で後手からの反撃が始まる．

☗1五歩☖4四歩打☗5七角☖8六歩☗同銀☖5五歩☗同歩☖同角☗6六歩打☖6四角とお互い一進一退の攻防である．

☗6五歩☖同桂☗6六角☖5五歩打☗1四歩☖1六歩打☗4五歩☖同銀☗3九歩打☖4九成桂☗1六香☖1五歩打☗同香☖1四香☗同香☖同銀☗4六香打と先手の指し手が恐ろしい程早く、優勢を意識しての読み筋であることを窺わせる。

後手は☖8八歩打としてあやを求める。ここで夕食休憩になる。

休憩明けで☗4五香☖8九歩成☗4六金と先手は攻め合い勝ちを狙う。

☖5四桂打☗5五角☖同角☗同金☖8八角打で後手後手勝負に出る。

☗4四金☖同角成☗同香で後手は詰めろも解消してしまい、迫る手段が無い。

☖7九金打☗6八玉☖8六飛☗1一角打☖2二香打☗4五桂打☖3四玉☗1二角打で後手は受けにも窮する。

暫く考え、後手が投了。131手まで先手の勝ちとなった。以下は☖2三銀打として詰みはないが、それでも一手一手である。

高見叡王は背水の陣で後がない。巻き返しがなるだろうか。