将棋JTプロ公式戦2019 羽生九段vs渡辺JT杯覇者
現役最強の声高い渡辺JT杯覇者(三冠)に対し羽生九段はどう立ち向かうか。両者は羽生九段が僅かに勝ち越してはいるが、直近では渡辺三冠が勝っている。
羽生九段の先手番となり、☗2六歩☖8四歩☗2五歩☖8五歩☗7八金☖3二金☗3八銀☖7二銀☗9六歩で相掛かり。
☖1四歩☗1六歩☖6四歩☗2四歩☖同歩☗同飛☖6三銀☗2八飛☖2三歩打で先ずは先手が飛車先を切る。
☗2七銀☖3四歩☗3六銀で先手は棒銀。
☖4二銀☗7六歩☖3三銀☗7七角☖7三桂☗6八銀☖5二金☗6六歩☖7三桂☗6七銀☖9四歩でお互い居玉のまま陣形を整備する。
☗5八金☖4一玉☗6九玉☖5四銀☗7九玉☖3一玉☗2五銀☖4二金右と進んで封じ手。
封じ手は☗6八金右。
☖6五歩☗同歩☖同桂で後手から開戦。
☗8八角☖9五歩☗同歩☖8六歩☗同歩☖9七歩打☗同香と端を絡めた攻め。
☖7五歩☗8七金☖7六歩☗同銀☖1三角☗6六角☖6二飛で後手が中央突破を図る。
☗6七歩打☖5七桂成☗同角☖同角成☗同金☖3九角打☗5八飛☖5六銀で後手の攻めが成功したか。
☗8四角打☖7六銀☗同金☖6一飛☗7八玉☖8八歩打☗7二銀打☖6四飛☗7三角成☖5四飛☗5五歩打☖4四飛☗5六桂打☖4五飛☗3六銀で後手は飛車が捕まり、攻めの継続手が難しくなってきた。
☖4九銀打☗1八飛☖5七角成☗4五銀☖8九歩成☗8七玉☖2二玉と後手は玉を早めに囲い、攻めに専念できる形。先手は入玉できるかどうか。
☗9六玉☖8四桂打☗8五玉☖7六桂☗7四玉☖5二金☗9一馬☖6二金☗8三銀成☖7三歩打☗同馬☖7五金打☗8四玉☖8五金☗同玉☖7三金☗同成銀で先手玉が徐々に押し戻されて行く。
☖8四金打☗7六玉☖7五金☗8七角☖6七馬☗6二飛打☖5八銀不成☗同飛☖7六角打☗9六玉☖8五金☗同歩☖同角にて先手投了。
118手まで後手の勝ちとなった。
以下は簡単な詰みであり、中盤の難所を攻めきった渡辺三冠の強さが発揮された一局だった。
羽生九段は残念ながら敗退となってしまったが他の棋戦での活躍を期待したい。